
リバーストリガーってなに?
最近、学会などでもよく耳にするようになってきた「リバーストリガー」。
今回は「リバーストリガー」について見ていきましょう!!
リバーストリガーとは・・・
人工呼吸器の送気によって横隔膜の収縮が誘発された状態
です。具体的な発生機序はまだわかっていませんが
- 深鎮静
- 呼吸努力が低い場合
などがあげられます。

リバーストリガーは「人工呼吸器-患者間の不同調」の一種です!!
では、リバーストリガーについて詳しく見ていきましょう。
自発呼吸が無い状態で人工呼吸器が送気を開始したとします。その送気により横隔膜の収縮が誘発されものがリバーストリガーです。
図の2つ目の波形がリバーストリガーです。

このリバーストリガーを人工呼吸器が検知して送気をした場合「Breath Stacking」、人工呼吸器が検知しなかった場合「ミストリガー(Ineffective effort)」を引き起こし、肺だけではなく横隔膜へもダメージがあると考えられています。

リバーストリガー・・・あまり聞いたことが無いような・・・
そこでリバーストリガーの論文について見ていきましょう。

リバーストリガーが初めて報告された論文がこちら!!

2013年の論文になります。
リバーストリガーは報告からまだまだ歴史が浅いと言えます。

だから具体的な発生機序などは、まだ分かってないんですね。
今後の研究を待ちましょう。
リバーストリガーに関する論文

リバーストリガーに関する論文を見ていきましょう。
まずはこちら。リバーストリガーのタイプに関する論文です。
この論文ではリバーストリガーを4つに分類できるとしています。
- early reverse triggering with early expiratory relaxation
- early reverse triggering with delayed relaxation
- mid-cycle reverse triggering
- late reverse triggering

この4つに分類しています!!

どんな分類なの?
early reverse triggering with early expiratory relaxation
吸気の開始直後に横隔膜が収縮し、吸気中に横隔膜が弛緩
early reverse triggering with delayed relaxation
吸気の開始直後に横隔膜が収縮し、呼気の終わりに横隔膜が弛緩
mid-cycle reverse triggering
吸気の途中で横隔膜が収縮して、呼気の途中で横隔膜が弛緩
late reverse triggering
呼気中に横隔膜の収縮、弛緩
この論文では、「early reverse triggering with delayed relaxation」が肺のダメージが大きいのではないかとされています。

リバーストリガーにはたくさんの種類がありそう!!
また、臨床上で見かけるリバーストリガーが「mid-cycle reverse triggering」、「late reverse triggering」はミストリガー(Ineffective effort)と考えられます。
さいごに
今回は不同調の一種である「リバーストリガー」について記載していきました。近年では不同調は肺・横隔膜にも悪影響を与えることが分かってきました。

リバーストリガーについてはまだまだ分かっていないこともたくさんあります!!
「リバーストリガー」を頭に入れておきましょう。
↓人工呼吸器の不同調についてまとめています。

興味のある方はこちらの記事も是非!!
- 【人工呼吸器】EIT【論文】
- 【人工呼吸器】R/I比【論文紹介】
- 【人工呼吸器】NAVA【論文置き場】
- 【人工呼吸器】メカニカルパワー関係【論文】
- 【人工呼吸器】ドライビングプレッシャー:ΔP【論文】
- SpO2の管理はどのくらい?【論文・ガイドライン】
- 【人工呼吸器】P0.1,ΔPocc【論文】
- 【人工呼吸器】経肺圧【論文】
- 【人工呼吸器】PMI(Pmus Index)【論文】
- 【人工呼吸器】AOP【論文】
- 【人工呼吸器】SBT【論文】
- 【酸素療法】HFNC【論文紹介】
- 【人工呼吸器】Vcap(Volmetric Capnography)【論文】
- 【人工呼吸器】VIDD【論文紹介】
- 【人工呼吸器】人工呼吸器の不同調(非同調)
- 【人工呼吸器】リバーストリガー【不同調】
- 【人工呼吸器】PAV【換気モード】

人工呼吸器に関する電子書籍をkindle出版しています。興味のある方は是非!!
コメント