病院内では「生体情報モニタ」などのモニタリング機器、「X線画像診断装置」などの画像診断装置、「血液浄化装置」「人工呼吸器」などの生命維持管理装置など多種多様な機器がたくさんあります。
医療機器市場はどうなっているの?
と、疑問に思いました。
そこで、医療機器の生産、輸入、輸出などについて調べてみました。
もとデータは厚生労働省より発表されている「薬事工業生産動態統計」です。
これは「薬」と「医療機器」の生産や輸出について、統計をまとめたものです。
令和3年薬事工業生産動態統計年報の概要|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
このデータからグラフなど作成したので見ていきましょう。
国内医療機器生産量は?
国内医療機器生産量のグラフです。
年々生産量が増加していることが分かります。
2021年(令和3年)の医療機器生産金額は2兆6019億円でした。
2012年は1兆8952億円のため、10年間でおよそ7000億円ほど増加していることが分かります。
また、輸入金額は2兆8151億円だったため生産金額との合計は5兆4170億円でした。国内への出荷金額は4兆2327億円、外国への輸出金額は1兆30億円であり、合計金額は5兆2356億円でした。
医療機器はどこでつくられているの?
はたして医療機器はどの県でで作られているのでしょうか。
字が小さくてごめんなさい。
トップ5は
1位:静岡県
2位:栃木県
3位:福島県
4位:茨城県
5位:埼玉県
でした。
静岡県が圧倒的に生産金額は大きいですね。確かに日機装とかテルモの工場は静岡県だったと思います。
あと、関東近郊が多いですね。東京や神奈川などに医療機器を搬送するためでしょうか。
輸入と輸出
医療機器の輸入と輸出について見ていきます。
まずは州別の輸入について
輸入は一番多い州が北アメリカ州、次いでヨーロッパ州、アジア州でした。
では、国ごとに見ていきましょう。
国ごとの輸入金額を見ると、アメリカ、アイルランド、中国の順で輸入が多くなっています。
1/3くらいはアメリカですね。
次は輸出について!!
州別の輸出金額を見ていきます。
輸出はやはりアジア州が最も多く、次いでヨーロッパ州、北アメリカ州でした。
次は国ごとの輸出。
その他が多く、次いでアメリカ、中国の順番です。
発展途上国などに輸出していそうですね。
医療機器分類別
医療機器分類別の「生産・輸入」の関係、「国内・輸出」出荷の関係を見ていきます。
の前に、医療機器の分類について少し触れていきたいと思います。
医療機器の定義は「医薬品医療機器等法」に記載されています。
「医薬品医療機器等法」第2条4項を見ると、
医療機器とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
とのことです。
ここで、政令に定めるものとは
• 機械器具:84種
• 医療⽤品:6種
• ⻭科材料:9種
• 衛生⽤品:4種
• プログム:3種
• プログラムを記録した記録媒体:3種
• 動物専⽤医療機器:14種
の7種類になります。
今回は「機械器具:84種」から
・呼吸補助器
・内臓機能代⽤器
・医療⽤エツクス線装置及び医療⽤エツクス線装置⽤エツクス線管
・内臓機能検査⽤器具
を抜粋してグラフにしました。
「生産・輸入」の関係について!!
医療用X装置は輸入と比べ、国内生産が多い結果です。
たしかに、画像診断系は国内メーカーが多い印象です。
対して
・呼吸補助器
・内臓機能代⽤器
・内臓機能検査⽤器具
は輸入が多い結果です。
少し意外だったのが「内臓機能代⽤器」です。
もっと輸入が多い印象でした。
そこで「内臓機能代⽤器」を「生産金額」が多い順トップ5を調べてみました。
透析関連はほぼ国内生産していることが分かります。
一方、ペースメーカ関連は、輸入に頼っています。
「国内・輸出」出荷の関係を見ていきます。
どの医療機器を見ても国内使用が多いことが分かります。
が、やはり「医療用X装置」は輸出も他の医療機器と比べると多いことが分かります。
さいごに
国内医療機器生産額は年々上昇しています。
国内メーカーで強いのは「X線診断装置」関連でした。また、国内の透析関連の機器はほぼ日本製でした。逆にペースメーカ関連は国外からの輸入に頼り切っている現状でした。
これからますます、高性能な医療機器が作られていくと思います。そのため、現状の医療機器の動向を知っておくことは重要だと思います。
画像診断系、透析関連の医療機器メーカーは今後も伸びていきそうですね。
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