新卒採用だろうが中途採用だろうが、採用試験には必ず面接があります。
では、臨床工学技士の採用試験の面接では何を聞かれるのでしょうか。私の経験をもとにどんな質問をされたのか見ていきましょう。
↓【就活】面接官は何をみる?【面接の意味】
面接では何を聞かれるの?
新卒と中途では面接で聞かれることが違います。
新卒の場合はこれからのこと、中途では今までやってきたことが中心になります。
また、面接を始める前にアイスブレイクがはいることもしばしば。
私は履歴書に書いた趣味(読書)の話からされたこともあります。
こんな感じ。
読書が趣味なんでしょ?どんな本読むの?
主にミステリー読んでます。
おっ!!東野圭吾とか??
みたいに少し砕けた感じから入って本格的な面接へ。
緊張をほぐそうとしてくれていますね。
このように履歴書に書いた内容から話が展開されることもあります。
履歴書に何を書いたかはしっかりと覚えておきましょう。
では「新卒」と「中途」で聞かれたことを見ていきましょう。
新卒の時
臨床工学技士になりたいと思った理由
臨床工学技士になろうと思ったきっかけはなんですか?
私が臨床工学技士を目指したきっかけは「医療」と「機械」に興味があったからです。・・・・
これは鉄板ですね。
安直に「国家資格だから」とか「病院で働きたいから」などと言わないように。
面接の場でそんなTPOをわきまえないことは言ってはいけません。自分の経験をもとに話しましょう。
この質問に関しては、養成校入学の時点ですでに考えていると思います。
その時のことを思い出しましょう。
理想とする臨床工学技士像
どんな臨床工学技士になりたいですか?
私は「医療機器」を通して患者様によりよい医療を提供できる臨床工学技士を理想としています。臨床実習の際に・・・・・・
就職したら、どういう臨床工学技士を目指したいか。
身近な人を例に出すと伝わりやすいかもしれません。例えば実習先にいた臨床工学技士。
「実習先にいた臨床工学技士さんで○○という考えを持っている人がいました。その考えに共感できたため、××ができる臨床工学技士になりたいです。」
みたいに実体験をもとに自分の理想像を話すと説得力が増します。
また、面接官も「どんな臨床実習だったか」気になると思います。
「臨床実習」と絡めて質問に答えることで次の質問に誘導することができます。
臨床実習で心に残ったこと、学んだことは何か
臨床実習で心に残ったことや、臨床実習を通して何を学びましたか?
先ほどの話に通じますが、臨床実習で心に残ったことは・・・・・
「理想とする臨床工学技士像」について話したときに「臨床実習」について触れていれば、その話とリンクさせましょう。
そのときのエピソードを話し、「理想とする臨床工学技士像」の説明を強化しましょう。
学生時代に行ったこと、印象深かったこと、そこから何を学んだのか
学生時代に行ったことで心に残ったことや学んだことなど教えてください。
私は学生時代○○のアルバイトをしていました。アルバイトを行う中で、如何にお客さんに「喜んでもらえるか、満足してもらえるかを考え××を心がけていました。・・・・・・
ここで、この質問の意図を考えてみましょう。
この質問で聞きたいこと、それは「考える力」と言えます。
当たり前のことから何を感じ取ったのか、そこから自分で何を考えたのかが重要です。
そのため、「何を行ったのか」。この内容はありふれた内容で大丈夫だと思います。
アルバイトでもなんでもいいです。
アルバイトなどから
- 何を感じ
- 何を学んだのか
をしっかりと答えましょう。
が、やはり他の人がやらないようなことをしていれば質問した相手にはよりインパクトを与えられます。
何故当院なのか
当院の志望理由は何ですか?
臨床実習を通して××に一番興味をもちました。貴院を見学させていた際に、××に力を入れていると伺いました。・・・・・・・
この質問の理由付けを強化するためには「臨床実習」や「病院見学」で実際に施設に訪れていなければ答えられません。
「臨床実習」や「病院見学」で心に残ったことなどを当日のうちにメモしておきましょう。
そうすれば、回答に困らないはずです。
実体験をもとにその施設ならではのことを伝えるといいと思います。
やりたい業務は何か
臨床工学技士としてやりたい業務はありますか?
××の業務を一番行いたいと思っています。・・・・・
これも実体験をもとに言いましょう。
「臨床実習」を通して感じたことを言うと話に一貫性があっていいと思います。
- 臨床工学技士として関われるすべての業務を行いたい→ジェネラリスト
- 血液浄化や人工心肺など、1つの業務を特化して行いたい→スペシャリスト
ジェネラリスト、スペシャリストどっちでもいいと思いますが、受けている施設の勤務体制を考慮しましょう。
業務をローテーションしている施設で
「人工心肺のスペシャリストになりたい!!」
と伝えてしまうと矛盾してしまいます。
やりたい業務に配属されなかった場合どうするか
やりたい業務に配属されなかった場合、どうしますか?
××の業務をやりたいと考えていますが、○○や△△の業務と密接に関係していると考えています。・・・・・・
病院側もなるべく考慮はしてくれると思いますが、それでも希望に添えなかった時。
そんな時、「○○の業務しか興味ありません」というスタンスだと病院側も扱いに困ってしまいます。そのため「どの業務についても大丈夫」ということを伝えたほうが無難です。
そもそも「代謝」、「循環」、「呼吸」そしてそれらをつなぐ「機器管理」は、どの業務も密接に関係しています。
そのため、今回やりたい業務につけなかったとしても、いずれ役に立ちます。
模擬テストの点数はどれくらいか
模擬テストの点数はどれくらいですか?
現在、だいたい6割程度の点数になります。・・・・・
病院側は学生が国家試験に合格できるかどうかが最も重要になります。
「採用したにもかかわらず、国家試験に落ちました」だと新年度は人数が少ない状態でスタートしなければなりません。
そのため、受かるかどうかを判定するために模擬テストの点数を聞いてくることがあります。
国家試験合格するにあたりどのくらい勉強しているか
国家試験合格のためにどのくらい勉強してますか?
学校での授業やセミナーなどに加えて、自己学習で問題集を毎日解いています。合計○○時間程度勉強しています。また、・・・・・・
本当に国家試験に受かりたいのかを把握するための質問です。
たとえば、模擬テストで点数ギリギリなのに勉強をあまりしていないとなると病院側は
「危機感がないな」
「国家試験に対して真面目に勉強していないのに、仕事を真面目にするだろうか」
などの疑念が生まれかねません。
そのため、しっかりと勉強しておきましょう。
また、+αでどのような勉強をしているのかを伝えるとGOODです。
ただ「過去問を解いています」ではなく、「過去問を解いて苦手な部分は先生に質問したり、同級生と集まって過去問回答、解説のどの勉強会を行っています」など、真剣に勉強に取り組んでいることを伝えましょう。
オンコール対応などの場合、自宅を病院の近くにできるか
当院はオンコール体制をとっていますが、自宅を病院の近くにすることは可能ですか?
可能です。・・・・・
オンコールのある病院で自宅を病院の近くにできなければ相手が欲しい人材とミスマッチが起きます。病院の近くにできなければそもそもその病院には受からない可能性が高いです。
こういったことは「病院見学」のときに聞いておきましょう。
- オンコール体制なのか
- 連絡が来て何分以内にいかなければいけないのか
などなど。しっかり聞いておきましょう。
もちろん、一般的な質問もされます。
↓新卒特有の「ガクチカ」についての記事
中途の時
新卒と違って、実際に「臨床工学技士」の業務を行ったことがある経験者です。
そのため、その経験について聞かれるよく聞かれます。
どのような業務をしていたか
どのような業務を行っていましたか?
機器管理や血液浄化、人工呼吸器管理の業務をメインに行っていました。機器管理業務では院内の医療機器の保守点検に加え、医療機器の選定や納入、廃棄など医療機器のライフサイクル全般の業務を行っていました。血液浄化業務では・・・・・・・・・
実際に行っていた業務について聞かれます。
例えば「血液浄化」、「機器管理」をメインに行っていたとします。そうした場合、
「血液浄化」、「機器管理」をメインに行っていました。
「血液浄化」であれば、、、
「機器管理」であれば、、、
と言った具合です。中途採用する場合、病院側は即戦力が欲しいのです。
そのため、「業務をどこまでできるのか」は病院側が最も知りたいことです。
そのため、根掘り葉掘り聞かれることがあります。
面接に臨む前にしっかりと自分がどんな業務を行ってきたのか
は確認して、すぐ答えられるようにしましょう。
ちなみに「血液浄化」、「機器管理」をメインに行っていました。
と簡素に答えるのはNGです。
質問者は「血液浄化」、「機器管理」の何ができるのかまで知りたいからです。
「血液浄化」では血漿交換などのアフェレシスまでできるのか
「機器管理」では院内の医療機器の選定まで行っているのか
などです。自分ができる業務をしっかり伝えましょう。
なぜ辞めるのか
退職しようと思った理由は何ですか?
今の職場の人間関係がいやなんだよなー。
退職理由としては、自分のステップアップを考えたためです。・・・・・・
ネガティブな理由を直接伝えてしまうと相手にいい印象を持ってもらえない可能性があります。
本当はネガティブな理由だったとしても、可能な限りポジティブに言い換えましょう。
なぜ当院なのか
何故当院を志望したのですか?
貴院を見学させていただいた際、「××」と伺いました。・・・・・・
「臨床実習」をいっていないので「病院見学」から説得力のある理由を答える必要があります。
が、別の方向で答えることともできます。たとえば、
「○○学会で××さんの発表を拝聴した時に、、、」
「貴院に通院した時に、、、」
「家族が入院した時に、、、」
など、自分が経験したことをもとに選んだ理由を答えれば大丈夫です。
業務を通じて部署などにどのような貢献ができたか
業務を通じて部署にどのような貢献ができましたか?
○○の業務効率化を図るため、現状の業務から××するよう業務改善を立案し、実行いたしました。・・・・・・・
ここら辺から、中途採用特有の質問になります。
即戦力を求めているため、実際にどのような貢献ができるのかの確認です。
実際にあった経験から答えましょう。
部署内の取り組みなど、業務改善に関して自ら提案し実行したものはあるか
部署内での取り組みなど、業務改善に関して自ら提案し実行したものはありますか?
○○の業務効率化を図るため、現状の業務から××するよう業務改善を立案し、実行いたしました。・・・・・・・
上記質問に似たものがあります。
自らが考えて、実際に実行したことは何かあるか。
を聞いています。
社会人なので言われたことをやっていればいいということではありません。
どんなに小さいことでも大丈夫です。
機器貸出の際、電源コンセントをさして充電待機させた
電源ケーブルを結ばないで保管するルールを作った
など、自分から動いたことを言いましょう。
実行したのち、効果測定はどのように行ったか
業務改善を実行したのち、効果測定はどのように行いましたか?
業務改善案を実行したのち、アンケートの実施や業務効率が上がっているかどうか残業時間の調査、改善点などを確認しました。・・・・・・・
いわゆるPDCAをしっかり回せるか
を聞いてきています。ルールを作った結果、トラブルなどが減らなければそれは余計な仕事をただ増やしただけになってしまいます。
そのため、実際に効果があるか検討する必要があります。
たとえば上記の例で行けば
- バッテリ寿命がのびた、バッテリトラブルが減った
- 電源ケーブルの断線が減った
等です。
上司と意見が割れた場合、どうするか
上司と意見が割れた場合、どうしますか?
対立を起こしてしまっている理由を模索すると思います。そこからしっかりと上司と話し合い、お互いの譲れるところで話を落とす折衷案がでるまで検討します。
相手が知りたいのは、「対立したとき、どういった行動をとるか」です。
仕事をしていればこのようなシーンは多々あります。
そういった時、どのような行動をとるのかです。
私は「お互いの譲れるところで話を落とす折衷案がでるまで話し合いをします。」
と答えました。
リーダーに求められる資質は何か
リーダーにもとめられる資質はなんだと思いますか?
リーダーに必要なスキルとしてコミュニケーション能力や視野の広さなどがあると考えています。なぜなら・・・・・・・
「部署という組織をどうマネジメントするのかorしたいのか」
を聞きたい質問です。こういう質問はけっこう困りますが自分の考えを言いましょう。
中途採用の場合、こういった部署マネジメントに関することも聞かれる可能性があります。
マネジメント関連の書籍を1冊読んでおくといいかもしれません。
後輩教育に関する理念はもっているか
後輩教育に関してどのような理念がありますか?
新人と同じ目線に立ち、一緒に問題解決してお互いに成長できるような教育を心がけています。
つまり、病院側は新人に対してどのような教育をしてきたかを聞きたいのです。
新人教育をしたことがあれば、その時に思っていたことを話しましょう。
また、新人教育をしたことが無くても、どのように教育をしていか
を答えさせるケースもあるので注意しましょう。
私は
「新人と同じ目線に立ち、一緒に問題を解決してお互いが成長できるような教育」を理念にしています。
と答えました。
できる後輩、できない後輩がいた場合どのような教育をするか
できる後輩、できない後輩など様々いたと思います。そういった場合、どのような教育を行っていましたか?
人によって得意不得意は様々あります。そのため、ある業務に関して、できる後輩=得意ととらえ得意分野をのばし、できない後輩=苦手ととらえ、別の得意分野があるかどうかを模索し、のばすような教育を心がけています。
私はこの質問をされたとき
「強いポケモン、弱いポケモンそんなの人の勝手」
というとあるポケモントレーナーの言葉が脳裏をよぎりました。
そこからインスピレーションを得て
「何が得意なのか、不得意なのかを見極めることが教育者の仕事だと思っています。そのため、その業務が得意な後輩はその分野をのばし、苦手な後輩は他に得意なことや興味があることを探してのばすような教育をします。」
人生何が役に立つかわからないですね。
この時はポケモンやっててよかったと思いました。
さいごに
以上が採用面接のときに実際にされた質問です。
特に中途採用に関しては「どのような人材を求めているか」によって質問内容が変わってきます。
面接官が知りたいことは
- 「その人がどういう人なのか」
- 「どういう経験をしてきたのか」
- 「どういう考え方をしているのか」
- 「何ができるのか」
などになります。それに見合う回答をしましょう。
また、
最後に何か質問はありますか?
これは絶対に聞かれます。対策しておきましょう。私は新卒の時は、アグレッシブさアピールのため
学会発表をしたいのですが、貴院では何年目から学会発表していますか。
中途の時は
学会発表したいのですが、年に何演題くらい発表していますか
と、聞きました。
もちろん、事前に学会発表を積極的におこなっている施設なのかなどは調べています。
ちなみに意外と質問者は質問の回答をけっこう覚えています。
面接のとき言っていたよね
と言われることがたまにあります。ご注意を。
↓長所・短所など、一般的な質問もされます。
都道府県別臨床工学技士
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