臨床工学技士に限らず、医療職の人たちって意外と教育の仕方について勉強をしてきていないと思います。そのため、新人教育などに非常に頭を悩ませると思います。
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何を隠そう、自分がそうでした。
教育の際、新人の言っていることや考えていることが理解できず、
- これだから若手は
- これだからゆとり世代は
と、吐き捨てたりしていませんか?
しかしこれは逆を言えば新人からしたら
- これだから老外は。
と思われている状態です。
そんな状態ではいい教育ができるとは思いません。
そこで今回は一緒に学ぶ「コーチング」についてお話してきます。
コーチングとは
コーチングとは、
1つの問いに対して、一緒に探索しながら答えを発見するようアプローチをする手法です。
つまり、質問がキーとなります。
しかし、たとえば
「これについてどう思う?」
みたいな質問は質問側が少し上になっており、これは正しいコーチングにはなりません。
医療現場でコーチングは必要
教育の観点以外にもコーチングは必要になります。
昨今の医療現場は医師一人では成り立ちません。
医師がいて、看護師がいて、薬剤師がいて、臨床工学技士がいていわゆるチーム医療が重要です。
さまざまな職種が関わりあってチームで患者さんへの治療を選択していきます。
そのため、医師が「この治療をしよう」ではなく、各職種が自分の得意分野について考えて答えを出す必要があります。
そういった意味でもコーチングは必要になります。
ちなみに、日本医療マネジメント学会では病院へのコーチング導入事例が多数報告されているらしいです。
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今度、日本医療マネジメント学会いってみようかな。
コーチングのやりかた
発見をうながす
コーチングで最も重要なことは「発見をうながす」ことです。
相手の中にある、自分でも見つけられていない情報を一緒に発見することです。
では、具体的にどうすればいいでしょうか。
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おはよう。
ありがとう。
などの当たり前の言葉から始まり、その後発見をうながす質問をしていき
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そうなんだね。
それから?
と相手に自由に発言をうながします。さらに
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それで?
それから?
もっと聞かせてよ。
と発言を受け取って、発言を受け取ったことを伝えます。
そこからさらに質問していき、この過程が繰り返され発見がうながされていきます。
答えを一緒に探す
コーチングは相手と一緒になって何かを探索します。
そのため、相手から答えを引き出すのではなく、一緒に考えることが大切です。
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これについてどう思う?
という質問は相手から答えを引き出しているためコーチングではありません。
たとえば
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1+1はなんですか?
と聞くのではなく
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答えが2となる計算はどんなものがありますか?
といった具合です。
チャンクダウン(かたまりをほぐす)
人は自分の過去をひとつのかたまりとして記憶する傾向があります。
たとえば旅行に行った際「あそこに行って○○をした」と答えるのではなく
「楽しかった」と、その体験をひとつのかたまりとして答えます。
この「楽しかった」というかたまりをほぐしてあげないと次には進みません。
「楽しかった」に対し、「そうですか」と答えたらその会話は終わり。
次には進みません。
そうではなく、「どんなところが良かったの?」と、少しずつかたまりをほぐしていく必要があります。
仕事でも同じです。
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あの案件どうなったの?
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うまくいってないないとは具体的には?
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どんなところに難しさがあるの?
と、抽象的なところから具体的な話になるまで質問をしていきましょう。
「なぜ」のかわりに「なに」をつかう
「なぜ」と聞かれると、なんだか攻撃されているような気がしませんか?
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なぜ、その処置した?
と言われると攻撃されている気がします。
昔から悪いことをしたときになぜと聞かれてきたと思います。
そのため、なぜと聞かれると防御体性に入って、うまく質問が引き出せません。
そのため、なぜではなく、なにと聞きましょう。
そうすることで相手は防御態勢に入りにくくなり、自分の中の障害を客観的にしめすことができます。
沈黙を効果的につかう
突然沈黙が訪れるとすごく気まずくなると思います。
しかし、しっかり考えるとき、人は黙って考えます。
そのため質問を投げたあとすぐに答えが返ってこなかったら
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好きなだけ時間を使ってください。それまで黙っています。
と伝えると、相手は少し気が楽になると思います。
待つことも大切
人の主体性を信じ、情報を一緒に探索、発見することがコーチングです。
たとえが、
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これはどうしたらいいでしょうか?
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どんなことができると思う?
このとき、相手が答えられない時を想定して、自分の中で答えを探そうと焦ってしまいます。
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なんて答えようかな・・・・
そんなときは、相手はきっと答えられる。
と信じてじっと待つと、クリエイティブなアイデアがたくさん出てくることがあります。
それを信じてじっと待つことも大切になります。
不満を提案に変える
コーチングの鉄則は不満を提案に変えることです。
たとえば、
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非生産性な朝礼は続けても無駄です
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どんなところが非生産性だと思う?
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全員が1日の予定を聞いても誰も関心を持ちません。
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なるほど、しかし毎朝顔を合わせることに意味はあると思うから、朝礼は継続するが、どうすれば生産性が上がると思う?
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その日どんなことを心がけて仕事に臨むか宣言するのはどうですか?
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いいね、ぜひそれをやろう。今度の朝礼で君から伝えてくれないか。私も同意していることを伝えるから。
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分かりました。
このように、コーチングを使うことのよって不満を提案に変えることができました。
さいごに
以上、ざっくりですがコーチングについて書きました。
聞き方ひとつで相手の感じ方、考え方などが変わってくることが分かりました。
明日から実践していきましょう。
参考図書・PR
- 新 コーチングが人を活かす
本書は非常に読みやすくおすすめです。
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