臨床工学技士は多職種と比べても勉強会を実施する機会は多いと思います。
後輩教育のみならず、なんといっても医療機器の研修があります。
輸液ポンプやシリンジポンプ、生体情報モニタ、人工呼吸器など取り扱い説明を踏まえた研修会を実施する必要があります。
しかし実際問題、勉強会や研修会ってどうやればいいのでしょうか。
勉強会や研修会を実施するなら、どうせならより効果的にしたいものです。
なんといっても、相手の時間を使って勉強会や研修会を実施しているわけですからね。
そのため今回は勉強会の技術について見ていきたいと思います。
勉強会の技術
最初は「知っていること」を質問
勉強会の導入はどのようにすればいいでしょうか。
その勉強会の内容で一番基礎的なことを質問してみましょう。
例えば、人工呼吸器の勉強会について開催する場合
ヒトの呼吸とは何でしょうか?
と質問してみましょう。
何人も参加する勉強会の場合、なかなか質問に対して答えてくれるヒトは少ないでしょう。
それでも大丈夫です。
受講者自身が呼吸について知っていることを意識させることが大切です。
では、意識させることにどのような効果があるのでしょうか。
KWL表で考えてみましょう。
KWL表とは教材を効果的に読ませるために考案された教育手法です。
- What I know(知っていること)
- What I want to learn(知りたいこと)
- What I learned(知ったこと)
Knowとwantとlearnedの頭文字をとったものです。
知っていること、知りたいことで勉強することの目的や興味をひき、知ったことで復習する表になります。知っていることを出させた(想像させた)あと、本題につなげることで相手の理解度が高まります。
見つけさせる発問
「説明を中心とならざるを得ない勉強会」も少なからずあります。
それを一方的に話しても面白くありません。
コーチングの研修では
テキストのP〇~P〇をグループで読んでください。そして、自分で分かるところとわからないところを確認してください
という進行があります。
グループで読むことで、わからないことを教えあうことができ、わからないことだけを説明すればよくなります。
こういった手法は勉強会にも取り入れられます。
例えば1枚のスライドを見せてそこから読み取れることを考えてもらう
など、自ら考え発見させる方法も有効です。
選択的発問を使う
〇か×か、AかBかCかと小刻みに聞きます。簡単な選択のため簡単に答えることができます。そのため、全員参加することができます。そして、どうしてその選択をしたのかが気になってくるため、理由付けを思考することができます。
しかし、選択を作ってしまうことで相手の思考を狭めてしまうデメリットもあるため注意が必要です。質問した後の展開を考え、ふさわしくない場面もあることを理解しておきましょう(たとえば勉強会終盤)。
ゆさぶり質問の活用
意見に対して「なるほど」「いいね」と称賛するだけでは意見を広めたり深めたりすることはできません。ここぞという場面で「ゆさぶり発問」「切り返し発問」を投げかけると効果的です。
~というと?
どんな感じ?
もう少し詳しく?
具体的には?
どんなイメージ?
たとえば?
といった質問、つまりオープンクエスションを使い、広い答えを引き出しましょう。また、
本当に?
○○のほうがいいんじゃない?
といった否定的な発問も効果的です。
さいごに
勉強会のやり方について少し記載しました。色々と勉強会の方法があることが分かりました。
しかし結局のところ、色々と勉強会の方法をためし、いい勉強会・悪い勉強会をトライ&エラーで見つけていくことが一番だと思います。
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小学生向けの授業方法が書かれています。
わかりやすく書かれており、大人対象への勉強会にも使える点がいくつも載っていました。
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