6月といえばME1種の時期ですね。
ME1種、ちょっと過去問みてみるか!!
ということで過去問確認。
もはや全然覚えてなかったことに愕然しつつ、
小論文だけやってみるか。
と思い、小論文をやってみました。
また、自分が小論文を書くまでに何を考えているかも併せて記載しました。
小論文が苦手な方は是非ご参考にどうぞ。
ME1種は小論文の配点が高いため、ME1種受験する方は対策をおすすめします。
小論文を書く前に
下記がME1種の小論文の過去問になります。
ある病院でME機器の誤使用によって重大なトラブルが起こったという報道があった。あなたの職場内でも同様のME機器を使用(販売)していた場合に、あなたは医療の安全を確保するためにどのような行動をとるか。あなたの考えを800文字以上1000文字以内で述べなさい。
第17回第1種ME技術実力検定試験問題解説集(PDF)より抜粋
まずは
何について小論文を書かなければいけないのか
をまとめてみます。
まとめると、
- ME機器の誤使用によるトラブルに対する医療安全確保のための方策
になります。
さらに内容を分けると
- ME機器の誤使用によるトラブル
- 医療安全確保のための方策
の2つに分類できます。
次に
「ME機器の誤使用によるトラブル」の状況をイメージ!!
してみます。
例えば、人工呼吸器だと
- 人工呼吸器の吸気・呼気回路接続間違い
- 人工鼻と加温加湿器併用による回路閉塞
- 人工呼吸器の設定間違い
など、教科書レベルで「注意しましょう。」と言われていることでも誤使用によるトラブルになります。
これは人工呼吸器に限らず他の医療機器でも言えます!!
そのため、ここではトラブルが発生した後の対応が重要だということが分かります。
次に、トラブルが発生した後の対応のゴールを考える!!
対応のゴールはもちろん、今後「誤使用」しないことになります。誤使用しなければ、「誤使用によるトラブル」は絶対におこりません。
しかし、ME機器を使うのは人間のため、「誤使用しない」はできません。「人はエラーを起こすもの」だからです。
そのため、「できるだけ誤使用しない」ためにどうすればいいかを考えていきましょう。
現状は、使用する病棟に対しての教育が重要です。
「誤使用しない」しないための教育が重要!!
効果的な教育をする上で、自分の施設でも過去に同様の事例が起きていないか確認する必要があると考えます。もし、同様の事例が自施設で発生していたが、軽微な事象で終わっていた場合も十分考えられるためです。
「同様の事例が自施設でも発生していた。」と、勉強会の内容に組み込めば、勉強会を受ける立場の人に衝撃を与え、トラブルが身近に感じ記憶に残る勉強会ができると思います。
身近な出来事ほど印象に残る!!
また、長期スパンで考えると、そもそも「誤使用できない」フールプルーフ機構に変更してもらうことがあげられます。1施設だけのトラブルだと規格変更が難しいかもしれないため、自施設でも過去に発生していれば、その件数などを伝えることで規格変更の手助けになると思われます。
また、ここで注目したいのが本文中の
「ある病院でME機器の誤使用によって重大なトラブルが起こったという報道があった。」という点です。
報道で知ったということは、医療機器メーカからではなく、テレビやニュースサイトなどで知ったということになります。テレビなどで報道されるレベルの事故があって、医療機器メーカからなんの報告もないことが問題です。発生してすぐ報道されたのであれば仕方ありませんが、報道されるにはそれなりのタイムラグがあると考えると、医療機器メーカとの報連相がうまくいっていない可能性があります。もし、過去の対応などにより医療機器メーカが報告しにくい風土になっていたのだとしたら改善する必要があります。
上記をまとめると
- 医療機器メーカとの関係性→過去の対応が原因?
- 勉強会などの教育(過去に発生していないか調査)→現在の対応
- 「誤使用できない」フールプルーフ機構に変更→未来の対応
この3本柱を話のキーポイントにします。
キーポイントを載せるベースとして根拠や説得力があるものを使用した方が良いため、今回は「改正医療法」を軸に考えていきます。
改正医療法では医療機器の適正、安全使用のため
- 医療機器安全管理責任者の設置
- 医療機器を安全使用するための研修会実施
- 定期点検の計画策定と実施
- 医療機器安全使用するため情報収集、改善のための方策の実施
が求められています。
今回は
- 医療機器を安全使用するための研修会実施
- 医療機器安全使用するため情報収集、改善のための方策の実施
をベースに考えていきます。
ここまでで所要時間20分程度でした
もし本番であれば、ここまでがっつりとメモ紙には記載せず、キーワードのピックアップと流れの確認程度にするため、おそらく10-15分程度だと思います。
次は上記内容をまとめていく作業になります。
実際に小論文書いてみた
では、実際に書いていきましょう!!
ME機器の誤使用によるトラブルに対する医療安全確保のための方策を医療機器使用側の観点から改正医療法を踏まえて下記に述べる。
改正医療法は医療機器安全管理責任者を設置し、医療機器安全使用のための研修の実施、定期点検計画の策定と実施、医療機器安全使用のための情報収集および改善のための方策の実施が求められている。本事例において医療機器安全使用のための研修の実施、医療機器安全使用のための情報収集および改善のための方策の実施が該当すると考えられる。
医療機器安全使用のための研修を適切かつ効果的に行うために、他施設のみならず自施設の情報収集が必要不可欠である。本事例の発生状況の確認、他施設、自施設でも発生しているのか等を調査し、研修会資料に組み込むことで本事例を身近に感じることができ、より効果的な研修を実施することができる。注意点として本事例の対策を講じる場合、スピード感が求められる。そのため、効果的な研修会のための情報収集と実現するための時間をトレードオフする必要がある。
また、収集した情報を医療機器メーカに渡すことも重要である。研修会を実施することで、トラブル発生のリスクが軽減されるが0にはならない。医療機器を扱うのは人間であり、医療安全の観点からも人間はエラーを起こすものと考えられている。そのため、誤使用によるトラブルを発生させないためには、そもそもトラブルが起こらないような機構、すなわちフールプルーフ機構を設ける必要がある。近年では、経管栄養の誤接続防止コネクタなどがいい例である。このような機構の変更は多大な時間とデータが必要になると考えられる。自施設で同様の事例が発生しているならば、その情報を提供することで機構変更の一助になる可能性があり、中長期的な医療安全対策となりうる。このようなやり取りをするためには常日頃から医療機器メーカと良好な関係構築が求められる。本事例においても最初の情報は医療機器メーカではなく報道であった。医療機器メーカと良好な関係構築ができていれば、報道より先に情報を得られ、よりスピード感のある対応が可能だった可能性もある。
以上より、私は効果的な医療機器安全使用のための研修実現のための情報収集および研修の実施、事例発生以前より医療機器メーカと良好な関係構築、フールプルーフ機構開発の一助にできるよう自施設の情報提供を行う。
これ書くのにだいたい30分、980文字。手書きだともう少し時間がかかると思います。
そのため合計1時間弱程度で書ききるかな、といった時間配分です。
うーむ、昔より書くのが早くなってる気がする。
さいごに
ME1種の小論文を書いてみました。
ちなみに、一応自分が受験した時は小論文で8割以上の点数が取れていました。
30点満点の8割以上、ばかになりませんですね。
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