P-V curveとは
P-V curveってなに?
P-V curveとは
低流量換気で圧・容量関係を描く曲線
のことです。
このP-Vcurve、実は形が2種類あります。
吸気側が上に凸のパターンと下に凸のパターン。
図にするとこんな感じ。
上に凸の場合は圧をかけても肺は広がりにくく、逆に下に凸の場合は圧をかけていくと、肺が広がっていきます。そのため下に凸の波形の場合は「リクルータビリティ」があると考えられます。
人工呼吸器でP-Vcurveを描く
人工呼吸器でP-Vcurveを描く場合
- Flow-constant(流量一定)
Flow-constantの場合、低流量・流量一定(5L/min)でガスを送気
- Pressure-constant(圧力一定)
の2種類があります。
Pressure-constantの場合、吸気、呼気を低圧(2cmH2O/min)でガスを送気
低流量と低圧の2種類があるのか!!
P-Vcurveの論文
↓P-Vcurveを用いてリクルータビリティを評価した論文。
この論文で使用しているのは
- ヒステリシス比
- 最大距離比
を用いています。
ヒステリシスとは
吸気と呼気で囲まれた部分
です。
ヒステリシスはここです!!
この「ヒステリシス」を「(Pmax-Pmin)×最大容量」で割ったモノを「ヒステリシス比」と言います。
次に最大距離比について。
最大距離とは
同じ圧力で吸気と呼気における一番離れたところ
です。
図で見ていきましょう!!
「最大距離」を「最大容量」で割ったものを「最大距離比(NMD)」と言います。
「ヒステリシス比」・「最大距離比」とCTによるリクルートメント評価を比べたところ、相関を認め、
- ヒステリシス比:28%
- 最大距離比:41%
がそれぞれカットオフ値と言っています。
最大距離比が41%を超えれば「リクルータビリティ」がある、ということが言えます。
同じく、リクルータビリティの評価で「R/I比」というものがあります。
↓詳細はこの記事。
さいごに
今回は「P-Vcurve」について書いていきました。「P-Vcurve」関連の論文はまだ数は少ないですが、「リクルータビリティ」の評価には使えそうです。※使える機種は限られてしまいますが・・・
近年では「R/I比」、「EIT」などと並んで「PEEP」の設定をどうするかと言った考え方が多く出てきています。そにため、「P-Vcurve」についても今後論文が増えていきそうです。
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