今回のテーマは「離職」について。
なぜ辞めてしまうのか
を、考えていきたいと思います。
「マイナス」の感情
なぜ離職してしまうのか
それは「マイナス」の感情をため込んでしまったためです。
「マイナス」の感情?
たとえば、
- 仕事が忙しすぎる
- 給料が安い
- 休暇が無い
- 人間関係が嫌だ
- メンタル不調
これらは全て「マイナス」の感情です。個人個人が少なからず感じているため、その種類は千差万別です。が、多くの人はだいたい上記のうちに当てはまるのではないでしょうか。
これら「マイナス」の感情の発生要因別に分けると「働きがい」、「働きやすさ」、「心身コンディション」に分類できます。
- 働きがい→自分の強みを伸ばしたいなどの自己成長や他者からの評価など
- 働きやすさ→業務の量が適切でありワークライフバランスが保てる、人間関係が良好など
- 心身コンディション→メンタルや身体の疲労、将来への不安や病気など
「プラス」の要因で止める人はいません。「マイナス」の要因です。
これら「マイナス」の要因はいわば一人ひとりの要求です。この要求は
仕事は忙しくてもいいから給料を高くしてほしい
給料は安くてもいいから勤務時間は短いほうがいい
と考え方はいろいろです。そして、考え方は状況とともに変化する可能性があります。
たとえば仕事をバリバリとして稼ぎたいと思っているAさん。Aさんに子供ができて、家族との時間を大切にしたいと考え方に変化があった場合
給料は安くてもいいから勤務時間は短いほうがいい
となることもあります。
逆にワークライフバランスを大事にしていたBさん。しかし、Bさんの趣味が車であり、新しい車が欲しくなり
仕事は忙しくてもいいから給料を高くしてほしい
と、考え方が変わるかもしれません。
このように「変化」する「無数にある要求」すべてに対応することは非常に難しくなります。
離職の種類
「マイナス」の感情が増幅し、そして「離職」へと至ります。では「離職」の種類を見ていきましょう。
「離職」の種類?
離職の種類は大きく分けて5種類。「積極的離職」、「消極的離職」、「離脱」、「自己都合」、「会社要因」になります。この中で「マイナス」の感情による離職は
「積極的離職」
「消極的離職」
「離脱」
です。
まとめると
- 積極的離職→自分の希望を叶えるための離職 。「働きがい」が損なわれてくると発生。次へのステップアップ。
- 消極的離職→今の環境から逃れるための離職 。「働きやすさ」が損なわれてくると発生。「もうここでは働きたくない」。
- 離脱→心身の健康の悪化で働けなくなることによる離職。「心身コンディション」の悪化により休職や退職をせざるを得ない状況。
- 自己都合→家族の転勤、出産や育児などによる離職。
- 会社要因→解雇、 退職 勧奨、 整理解雇による離職。
こんな感じです。
「マイナス」の感情で辞める「離職」を防ごうとするならば「働きがい」、「働きやすさ」、「心身コンディション」のどこにアプローチするか考えなければいけません。
「働きがい」が不足している組織において
- ノー残業デーを設ける
- 組織内でレクリエーションを行う
といった対策をしても意味がありません。むしろ「働きがい」が悪化する可能性もあります。しかし「ノー残業デー」や「レクリエーション」などは離職の原因を深くは考えず「新しいイベント」を行うだけでいいので実行しやすいです。
意味のない対策、むしろ行わないほうがいいまである対策をしてしまう可能性は大いにあります。
そして、ミスマッチの対策をしていると
こんなに良くしているのにどうして辞めるんだ
会社はなにも分かっていない
と、平行線のまま分かり合えない状況が続いてしまいます。
そのため
- 誰の
- どの課題
をしっかり明確したうえで
- どのような対策
をするかが大切になります。対策にばかり気をとられてはダメです。
ここでいう課題は「マイナスの感情」になります。つまり
- 「働きがい」
- 「働きやすさ」
- 「心身コンディション」
です。では次に、「誰の」にあたる「人材」について見ていきましょう。
人材について
人材についてってどういうこと?
組織内にいる「人材」は
「優秀人材」、「ハイポテンシャル人材」、「立ち上がり人材」、「普通人材」、「ぶら下がり人材」に分類できます。ではそれぞれ見ていきましょう。
- 優秀人材→「優秀ですでに 企業・組織の牽引役となっている人材」のこと。 なくてはならない 存在。
- ハイポテンシャル人材 →「3~5年後に優秀人材になるであろう人材」のこと。 すでに結果を出し、 頭角を現している人たち。
- 立ち上がり人材→「入社から1年以内(新卒 入社・中途入社問わず) の人材」のこと。 意欲 や能力はあるものの、まだその組織における知識・経験が浅いため、十分に結果を出せていない人 たち。
- 普通人材は、「やるべきことをきちんとこなす人材」のこと。。 意欲や熱量平均的な水準。
- ぶら下がり人材→「『 消極的定着』( ぶら下がり)している人材」のこと。 組織との方向性の 違い、 労働価値のミス マッチ、人間関係などから、意欲が見えず、言われたことだけをしている人たち。
離職が起きないようにするためにはどうすればいいの?
離職が起きないようにするためには、組織を活性化させる必要があります。
そのため、
- ハイポテンシャル人材
- 立ち上がり人材
に対してアプローチする必要があります。
立ち上がり人材→ハイポテンシャル人材→優秀人材
と進化していきます。そのため、立ち上がり人材とハイポテンシャル人材は密接に関係しています。立ち上がり人材の目標がハイポテンシャル人材になります。そして、ハイポテンシャル人材は「自分の成長機会」や「自分の強み」(=働きがい)といったことを重要視している傾向が強いため、アプローチしやすくなります。
さいごに
今回は「離職」にスポットを当ててみました。一口に「離職」と言っても様々な原因があり、組織には様々に人がいて、それらが相互に関係して「離職」がおきます。
組織を考える際に「離職」について考えてみてはいかがでしょうか。
これから「辞めよう」という人や、これから新天地、という方にも参考になると思います。
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「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?
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